from 福元友則
先日知り合いの営業マンの相談に乗りました。
この営業マンの悩みは、営業を頑張れば頑張るほどお客さんが引いていくのがわかってしんどいみたいなことでした。
僕はこの話を聞きながらなぜか小学生の頃のことを思い出していました、、、
僕が小学生のころ。
学校に猫が住みついていました。
よくいる三毛猫だったと思いますが、この猫が可愛かったんです。
(子供は動物好きですしね。)
ある時、みんなで遊んでいるとこの猫がひょっこり顔を出しました。
可愛かったので、子供心に一緒に遊びたくなったのでしょう。
みんなで猫に近づいてみることにしました。
ところが、僕らが近づくと猫は逃げて行ってしまいます。
何度やっても同じことでした。
僕らが離れると猫は顔を出して、僕らが近づくと猫は逃げて行ってしまいます。
ある時はみんなで猫を囲むようにして近づいてみました。
ですが、猫のほうが一枚上手。
間をすり抜けて逃げられてしまいます。
追いかけてみても猫のほうが足が速いのでとてもつかまえれそうにありません。
クラスで一番足が速い子がいっても無理でした。
この方法では猫と仲良くなることはとても無理そうです。
誰が言い出したのかわかりませんが、餌をあげることにしました。
うちの猫は餌をあげるとよってくるぞと。
それだとなって試してみました。
しかし、これもなかなかうまくいきません。
確かに猫の関心をひくことはできましたが、餌をあげても近寄ってきません。
今ならわかりますが、子供が餌の隣にいたら近寄ってくるはずがありません。
誰かが親に相談したのか、餌のそばにいたら猫は近寄ってこないということに気づきました。
そこで次からは餌をあげてすぐに離れるようにしました。
毎日毎日、このやり方で猫に餌をあげました。
するとだんだん、餌をあげてる最中に猫が近づいてくるようになったのです。
餌をあげるようにしてからずいぶんとたったある日のこと。
餌をあげると猫が近づいてきて隣で餌を食べました。
僕たちがつかまえようとする人から、餌をくれる人に変わった瞬間です。
敵から味方になった瞬間でした。
この営業マンがやっていることがまさにこれ。
お客さんを追いかけるから逃げられるのです。
ですから、お客さんのほうから近寄ってきてくれるようにするべき。
お客さんの興味関心のあることを最初にこちらから提供してお客さんに集まってもらうようにするべきなのです。
しかもその時、営業心を出してはいけません。
そこで営業をしてしまうとそれでは、先ほどの餌の隣にたっているようなものだからです。
お客さんの欲しいという気持ちを引き出してから、はじめて営業をすることができるのです。
営業マンは自分のペースで営業を進めようとしてしまいますが、それではうまくいきません。
お客さんのペースに営業をあわせるべきだからです。
猫が自分から近寄ってくるまで待つべきだったように、営業マンもお客さんが自分のタイミングで近づいてくるまで待つべきなのです。
営業はどう言えば売れるのかに関心が集まりがちですが、タイミングも非常に重要です。
先生の事務所の営業を見直すヒントに、また顧問先のアドバイスの参考にしてください。