From 福元友則
「え、これまだやってなかったの?」
「優先順位が低かったので、、、」
みたいなことってよくありませんか?
自分が重要だと思っていても相手が重要だと思っていなかったなんてことはよくよく起こります。
なぜなら自分が重要だと思っていることが相手も重要だと思っているとは限らないからです。
むしろこれだけ世の中が進化しているのにコミュニケーションの問題が依然として存在し続けているのはこのギャップが埋まらないことになると思います。
顧問先の指導の場面もそうですし、部下の指導の場面でもそうでしょう。
セールスの場面でもこうしたギャップはよく見られます。
なぜこうしたコミュニケーションのギャップがうまれるかは、人間の記憶のシステムを考えるとよくわかります。
人の脳は、外部から入ってきた情報をまずは海馬に送ります。
重要な情報か重要でないかに関わらずすべて海馬に送られます。
海馬の主な役割は情報の選別です。
海馬が重要な情報と重要ではない情報とに選別していきます。
海馬が重要と判断すると長期記憶として保存され、記憶された情報になります。
(海馬に重要と判断されないと、引き出すことのできない情報になってしまいます。
つまり忘れられるということです。)
ここで問題なのが、海馬は何を基準に重要かどうかを判断しているのかということ。
先生が重要だと考えているのに相手が重要だと捉えていないのは海馬が重要だと判断するポイントをおさえれていないからかもしれません。
海馬は主に2つの点で重要かどうかを判断しています。
まず1つ目のポイントは、情報が繰り返される回数です。
海馬は何度も脳内に入ってくる情報を重要な情報と判断しています。
ですので、先生が重要だと考えていても一度しか伝えていなかったら相手の海馬は重要な情報とは判断してくれていない可能性が高くなってしまいます。
これを防いで確実に重要な情報だと判断してもらうためにも、重要なことは繰り返し伝えることです。
また重要そうなことなのにいざという時に思い出せないなどの対処法としては、やはり復習などで繰り返しその情報に触れるようにしましょう。
昔から勉強は復習が大切だと言われていますが、まさにこのことですね。
くどく感じるかもしれなくても、重要だと判断されないよりはましなので、くどいくらいに繰り返し伝えるようにしてちょうどいいのかもしれません。
次のポイントは、感情とセットの情報です。
海馬は感情とセットになっている情報を重要と判断します。
ですから、ただ物事を伝えるのではなく相手の感情をベースにした伝え方を意識しましょう。
感情とは喜怒哀楽ですが、こうしたリアクションを引き出せるように伝え方を工夫するのです。
こうすると何度も繰り返す必要などなく、一度で相手に重要な情報だと判断してもらうことが可能です。
しかしお気づきのように、何度も繰り返し伝えることに比べると相手の感情を動かす伝え方をするというのは難易度が高くなります。
ですからまずは意識して繰り返し伝えるようすることからはじめましょう。