from 福元友則
「いい商品をつくるためには商品のことを考えてはダメ!」
これはリクルートで創刊男と呼ばれたくらたまなぶさんの言葉です。
くらたさんは「とらばーゆ」や「フロム・エー」、「じゃらん」などの創刊に関わった人です。
そして新規事業開発室長などを歴任された方です。
リクルートといえば、新規事業というほどとにかく新しい事業をつくるのも新しい商品をつくるのも上手ですよね。
かゆいところに手が届くというか、時代の隙間をうまくついてくるというか。
くらたさんはいい商品をつくるには商品のことを考えていてはできないといっています。
なぜでしょうか?
一般的な研究開発のイメージでは来る日も来る日もその商品のことばかり考えていて、ある日アイディアをひらめくことでいい商品ができるようなイメージではないでしょうか?
しかしそれでは、というよりそれだけではダメだということです。
というのも、いい商品とは誰にとっていい商品なのか?という視点が抜け落ちているからなのです。
この商品には他社商品にはない機能を盛り込もうとか、
この商品には自社独自の技術が使われていますとか、、
この商品はこんなに苦労して作りましたとか、、、
この商品には
こんな謳い文句よく目にしますが、これってお客さんにとって価値があることなのか?ってことです。
たしかに他社にはない機能があったほうがいいかもしれません。
独自の技術があるにこしたことはないでしょう。
それでもお客さんにとって、商品を選ぶ基準が価格だったらどうでしょう?
お客さんにとってお手頃な価格の商品がいい商品であれば、これらの謳い文句はまったく的外れになってしまいます。
お客さんによって伝えるべき優先順位は変わります。
いい商品かそうでないかを決めるのはお客さんです。
なのでいい商品をつくるには商品のことを考えることからはじめてはいけません。
商品のことからスタートしてはいけません。
商品からスタートするといい商品にはならなくなってしまうことがほとんどです。
いい商品をつくるためにはお客さんからはじめましょう。
そのためにはお客さんのことをよく知らないといけません。
何に困っているのか?
何に不満があるのか?
どういう暮らしや経営をしているのか?
どうなりたいのか?
などなどお客さんのこういったことを知っていくことがいい商品をつくるコツなのです。
今はほとんどの産業や商品が衰退期に来ています。
顧問先の事業や商品もきっとそうでしょう。
であれば、やるべきことは新しい事業や新しい商品づくりに取り組むことです。
もちろんこれは税理士事務所であっても例外ではありません。
先生の事務所の経営や顧問先のアドバイスの参考にしてください。