from 福元友則
先日とある相談に乗っていた時のこと。
「売りたいものと違うものが売れて売りたいものがなかなか売れません。」
というような相談でした。
この手の相談はよく受ける相談です。
もしかしたら先生もこのような経験をしたことがあるかもしれませんし、顧問先の社長はしょっちゅうこういう経験をしているはずです。
ある時はスーパーを経営している社長からこんな相談を受けました。
「うちのスーパーのお客はお金を持っていないから安いものしか買っていかない。」と。
こういう話を聞くとついつい間に受けてしまいますが、事実であることもそうではないこともあります。
たいがいは社長の思い込みであると同時に自分で引き起こしている問題でもあります。
集客方法を確認すると、集客は主に折込チラシでやっているとのこと。
その折り込みチラシを見せてもらうと、デカデカと安いと書いてあります。
あちこちに安い、安いと書いてあります。
つまり自分でうちの店は安いのがウリの店と宣伝して、安さを求めているお客さんを集客しているのです。
これでは安いもの求めるお客さんが集まるのも仕方ありませんよね。
しかし社長の不満はそれだけが理由ではありません。
というのも仕入れにはこだわっていて品揃えや鮮度などの品質に自信を持っていたのです。
なのでお店にお客さんが来さえすれば、例え安いものを求めていたとしても質の高いものを買ってくれるだろうと思っていたのにそうはならないことでした。
こうした不満はこの社長だけのものではありません。
中小企業の社長によくある不満でよくある悩みです。
前回紹介した正しい相手にマーケティングを行うことも重要です。
しかしそれだけではうまくいきません。
伝える内容をその相手に合わせることも重要なのです。
正しい相手が集まってこないのであれば、正しい相手に合ったメッセージを作れていないということです。
誰にでも当てはまるような一般的なメッセージを作ったり、間違った相手に対するメッセージを作ったりしてはいけません。
自社の強みであったり、正しい相手が求めていることに対するメッセージを作らなければいけません。
またそのメッセージを作る時に大切なポイントが2つあります。
1つ目はお客さんが使っている言葉を使うこと。
自分たちの言葉ではなく、お客さんが実際に使っている言葉を使うようにしてください。
2つ目はお客さんの真の問題を知ること。
真の問題を知るにはそのお客さんのことを深く知ることです。
税理士事務所であれば、顧問先のことを今よりもっと知ること、社長のことをもっと知ることが重要になるのです。
まずは顧問先の社長のことをもっと深く知ることから始めてみてください。