From:高名一成
先日、知り合いの社長と話していたら、こんなことを言っていました。
「ずっとお願いしてたデザイナーさん、契約を解除しました」
この社長、パートナーのデザイナーに月30万円を払っていました。
LP(ランディングページ)や書籍のデザイン、動画の制作など、事業に必要なクリエイティブをまるごとお願いしていたそうです。
それを、全部AIでやるようになったと言うんです。
nanobananaで画像を作り、ManusやClaudeで動画や文章を作る。
これまで30万円かけていたものが、ほぼ無料でできるようになったそうです。
しかも、良いことはお金だけじゃないと言っていました。
外注していた頃は短い納期でお願いしたり、細かい修正を何度も頼んだりするのが、地味にストレスだったそうです。
相手も人間ですから気をつかいますよね。
でもAIなら、それがありません。
深夜だろうが、何度修正をかけようが、すぐにやってくれます。
気を使う必要もありません。
AIに仕事を奪われる…
が現実になっている
このデザイナーは月30万円の仕事を、まるごと1つ失いました。
そして、これはこのデザイナーだけの話ではありません。
代行業やライターといった仕事は、いままさにAIに置き換わり始めています。
「AIに仕事を奪われる」という話を、少し前まではどこか他人事のように聞いていた方も多いと思います。
でも、もう現実に起きています。
AIは一時的なブームではなく、長期で続くトレンドですから、この動きはほぼ確実に進みます。
しかもその速度はかなり速くて、5年後ではなく来年でもおかしくありません。
それでも単価が上がっている人がいる
ただ、ここで終わると、ただの脅し話になってしまいます。
中には同じ代行業やライターでも、まったく奪われていない人たちもいます。
そういった人は、仕事を奪われるどころか逆に単価が上がっている人もいます。
何が違うのか。
彼らは、付加価値が高いんです。
ただ言われた通りに作業をこなすだけではなく「どうすればもっと良くなるか」をコンサルティングしています。
例えばライターなら、指示された記事をただ書くだけの人は、AIに置き換えられます。
でも「この記事で何を達成したいのか」「読んだ人にどう動いてほしいのか」まで踏み込んで提案できる人は、AIには代えられません。
なぜなら、そこは作業ではなく、判断と提案の領域だからです。
そして、その判断と提案は、結局のところ依頼主が一番ほしいもの、つまり「売上を増やすこと」に向かっています。
記事を書くのも、デザインを作るのも、本当の狙いはそこですよね。
その欲求をくみ取って「こうすればもっと伸びますよ」と形にして提案できるから、依頼主にとって価値が高くなります。
だから手放せないわけです。
そして、ここはAIには代替できません。
ですから、彼らは切られることなく、むしろ「あなたにお願いしたい」と選ばれて、単価まで上がっていきます。
税理士の仕事も、同じ構造です
ここまで読んで、なんとなく気づいた方もいるかもしれません。
これは、税理士の仕事にもそのまま当てはまります。
記帳、試算表、申告書の作成。どれも高い専門性が必要な価値のある仕事です。
そこは間違いありません。
ただ、顧問先の社長から見たときに、その違いは正直わかりにくいんです。
そして、AIがその領域にどんどん入ってきています。
マーケティングの世界には、こういう考え方があります。
「他に代替できてしまうサービスは、最後は価格の安さで選ばれる」というものです。
そして今、その価格とスピードで最強なのが、無料で、すぐに、何度でも動いてくれるAIです。
作業を作業として提供しているだけだと、この流れに巻き込まれていきます。
でも、さきほどのデザイナーやライターと同じで、付加価値を高めれば、AIには奪われません。
むしろ単価が上がります。
経営者が本当に求めている付加価値とは
では、税理士にとっての付加価値とは何でしょうか。
ここを取り違えると、また「より丁寧な記帳」「より早い試算表」という方向に行ってしまいます。
でも、それは付加価値にはなりません。
さきほどの「よりよい作業」と同じだからです。
考えるべきことは、さっきのライターやデザイナーとまったく同じで、社長の理想や悩みに寄り添うことです。
あなたの顧問先の社長が、いま一番ほしいものは何でしょうか。
やはり多くの社長は、売上を増やしたいと思っているのではないでしょうか?
資金繰りも、採用も、結局は売上があってこその話だからです。
もし、あなたがその売上アップに少しでも力になれたら、どうでしょう。
社長にとって、それは「払って終わるコスト」ではなく「払えばリターンが返ってくる投資」になります。
売上が増えるなら、社長は喜んでお金を出します。
求めているものを提供すれば、選ばれるのは当たり前ですよね。
これが、AIに奪われない付加価値の正体です。
あなたはどんな付加価値を作りますか?
AIに仕事を奪われる人が出てくるのは、もう避けられません。
ただ、付加価値が高ければ奪われない。
それどころか単価が上がる。
これも同じくらい確かな事実です。
奪われる側に回るのか、選ばれて単価が上がる側に回るのか。
その分かれ道は「言われた作業をこなすだけか」「社長が本当にほしいものに踏み込めるか」にあります。
あなたの事務所が顧問先に提供しているものは、AIにもできる作業でしょうか。
それとも、あなたにしかできない付加価値でしょうか。
もし少しでも引っかかるものがあったなら、付加価値を高める一歩を考えてみてはどうでしょうか。
その一歩が、AI時代に選ばれ続ける事務所への分かれ道になります。
-高名一成
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