From:福元友則
世の中には報酬の高い税理士もいれば、報酬の低い税理士もいます。
一体何が違うと思いますか?
専門家としての知識でしょうか?
知識が深いにこしたことはないでしょう。
しかし、税務に精通していればいるほど報酬があがるのかというとそうでもありません。
例えば、法人税についての知識の深さと酒税についての知識の深さを比較してどちらが上かなんて決められませんから。
一般的に求められる水準を上回ると、あとはそれほど報酬に影響がありません。
では、営業力でしょうか?
もちろん営業力があればあるにこしたことはありません。
しかし、お客さんが価値を理解できなかったり、違いがわからなかったりする場合、結局値引きでしか売れません。
つまり営業力だけでは、きちんと適正な報酬で仕事を受けれるわけではありません。
では、報酬の高い低いを決めるのは一体何でしょうか?
それは、知識でも営業力でもありません。
「希少価値」です。
人は、絶対的な価値認識をできません。
何かと何かを比べることで価値を感じることができるようになっています。
でも、比べる時に数値とかになっていれば、かんたんに比べて優劣をつけることができるのですが、現実はそうではありません。
ですので、知覚価値で比べることになります。
知覚価値で比べるときに、一番わかりやすいのが客観的なものです。
他の人がそれをどう評価しているのかや、入手しやすいのかしにくいのかなどで判断しているのです。
それを一言でいうと「希少価値」になります。
ですから、他にもたくさんいる税理士の中の1人と思われるか、それとも他にはいないタイプの税理士だと思われるかで希少価値が変わってくることになります。
これをどうやってやるのか?
まず税理士業に携わる時間が長ければ長いほど、経験を積めば積むほど専門家としての価値は高まっていきます。
目安としては、「1万時間の法則」があります。
1日8時間働いて、だいたい3年ぐらいですね。
これぐらいのキャリアがなければ、まず1万時間をクリアすること。
ここからが、難しくて面白いところです。
実はこの1万時間を超えてしまうと、どれだけ超えても専門家としての価値にはそれほど影響がありません。
例えば2万時間になったから2倍になるかというとそんなことは全然ありません。
それに専門で働いている人の中で抜きん出るのもかんたんではありません。
つまり1人の専門家としての価値をあげようと思った場合、税理士業に携わる時間をどれだけ増やし続けてもあまり変わらないのです。
ということは、業務をこなしているだけの状態で、競争が激しくなれば時間とともに価値は下がっていってしまうかもしれません。
ですので、そういう時には、もう1つ専門をつくるのです。
もう1つの専門に1万時間をかけてそこそこの専門家になります。
(例えばコンサルとしましょう)
すると、税理士×コンサルというフィールドに移ることができます。
どうしょう?
このフィールドに果たしてどれだけの競争があるでしょう?
少なくとも税理士専業よりは競争はありません。
ということは、お客さんから見たときに変わりが見つけにくい存在になったということです。
このかけあわせを増やせば増やすほど、希少価値は上がっていきます。
もちろんどれもお客さんにとって価値がある分野であることが前提です。
ですので、このかけあわせる分野をつくっていきましょう。
そこに1万時間、時間を投資しましょう。
そうして希少価値をあげていきましょう。
ー福元友則