From:高名一成
先日、奥さんに怒られました。(まぁ、けっこう小言は言われますが・・・。)
なぜ怒られたかということなんですが、どうも、奥さんから聴いたことを僕がまるで覚えていないようなんです。
なので、どこかに行くスケジュールを立てていても、予定に入っていなかったり、何度も同じことを聴いてしまったり、覚えていないことが多いんです。(仕事はそんなことありませんよ!)
はじめの方は、
僕:次の日曜日って何か予定あったっけ?
奥さん:この間○○があるって言ったじゃん!
もう3回くらい言ってるよ!
僕:そうだっけ??
奥さん:しょうがないな〜(笑)
と笑い話で終わっていたんですが、それが日常的に続くとこんな感じにはなりません。
別に私に悪気があるわけではないんですが、なぜか忘れてしまうんです。
その時はしっかり聴いて記憶しているつもりでも、時間がたつと忘れてしまう。
今、覚えていても、いつも忘れるから次は気をつけようと思っていても忘れてしまう。
そのうち、オレってこんなに記憶力無かったっけ?と思ってしまう。
これを読んでいるあなたもそんな経験があるはず。
人は20分後には42%忘れる
実は記憶力と忘却(忘れる)には「エビングハウスの忘却曲線」という科学的な根拠があります。
これは超有名な実験結果で、ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスという人が、意味のない3つのアルファベットの羅列を、被験者にたくさん覚えさせて、その記憶がどれくらいのスピードで忘れられていくかを実験し、調べ、その結果を、グラフ化したのが「エビングハウスの忘却曲線」です。
で、調べていくと、
・人は20分後には42%忘れる
・人は1時間後には56%忘れる
・人は1日後には67%忘れる
・人は31日後には79%忘れる
こんな状態で人はどんどん記憶を忘れていくそうです。
営業ではよく、「鉄は熱いうちに打て」って言いますよね。
少しフォローやクロージングが遅くなると、商談の時はあんなに相手もやる気だったのに、時間がたつと検討もしてなかったのかの様な対応に激変している。
それにはこの記憶と忘却の関係が影響しています。時間が経てば経つほど、その商品の価値も欲しいという欲求も忘れてしまうんです。
なので、最終的なクロージングはいつのタイミングにするか、フォローアップはどういった頻度で行うかなどもあらかじめ、よく考えてからやらないといけません。
場当たり的な営業でうまくいったケースをほとんど聴いたことがない理由がこれでよく分かります。
忘れさせないために・・・・
フォローやクロージングを早くやることはもちろんですが、提案書を作りましょう。
税理士業界は口頭のみで営業をして契約をしようとすることが多い気がします。これは完全にNGです。
特に税務やコンサルはサービス内容が分かりづらいです。口頭の説明で理解してもらっても、確実に忘れます。
さらに細かい留意点が多いので、書面にしておかないと後々の揉め事の原因にもなります。
もうひとつは提案書があるからこそ、営業がどんどん進みます。
僕は多くの所長先生や職員さんに
なぜ、営業をもっとしないのか?
なぜ、見込み客が感心を示しているのに提案しないのか?
ということを聞いてきました。
必ず口を揃えて言うのが、「忙しかったから」ですね。
ただ、実はこれは建前で本音は提案書が無いから提案出来ないんです。手ぶらで行くわけにはいかないし、提案書を作ってないから提案のロジックも纏まっていません。
ちなみに僕がお客さんだったら、提案書が無いと話は聞かないと思います。真剣味も伝わってこないですからね。
なので、必ず提案書を作りましょう。
今回は提案書の作り方は割愛しますが、機会があればあらためて紹介しますね。
営業は科学だ
ここまでの話で上手くいく営業とは人の心理的なことをよく考えて科学的な設計がされています。
すごく長い経験があるベテランの営業マンも科学的な営業をおこなっている営業マンに、あっさりと営業成績を追い抜かれてしまった。そんな例をいくつも見たことがあります。
これは僕たちの業界でも同じです。
どういったマーケティングを行って、そのあとのセールス、フォローアップ、クロージングをどうするか?
しっかりと科学的プロモーションの準備をして、実践し、その結果をどんどん進歩させていく。
うまくいくビジネスとはこれの繰り返しなんです。
経験則などの感覚ももちろん大事ですが、科学があった上での感覚が一番大事だと思います。
つねに忘れずに研鑽を続けたいですね!
ー高名一成
P.S.
ちなみに、このエビングハウスの忘却曲線を
奥さんに説明し、
僕:フォローアップが足りないから忘れるんだぞ。
と言ったら、
奥さん:「スマホを見ながら聴いていたり、
本を読みながら聴いているから、そもそも
ちゃんと聴いていないだけでしょ!」
と一刀両断されました・・・(笑)
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