from 福元友則
先生はゾンビ企業という言葉を聞いたことがありますか?
聞いたことがあっても聞いたことがなかっても、そういう企業を目にしたことはあるはずです。
実質は倒産状態でありながら営業を続けている企業のことをゾンビ企業といいます。
支払わなければいけないものを支払えない状態が続いている企業であったり、債務超過の状態が続いている企業であったりがゾンビ企業に該当します。
またここまではいっていなくても銀行借り入れをリスケしていたり、過剰債務だったりする企業もゾンビ企業予備軍といえるかもしれません。
帝国データバンクが調査したところによると2020年度にゾンビ企業は推計11.3%にのぼることが発覚したそうです。
この調査でのゾンビ企業の定義は、設立10年以上でICRが1未満とのこと。
(ICRとは(営業利益+受取利息)/支払利息のこと)
一般的な中小企業の場合、営業利益を支払利息が上回っていることになるので非常に危険な状態ですよね。
こうした企業が11.3%もあるというから驚きです。
業種別に見ていくと、一番多いのが建設、次いで製造、卸売、サービスという順番。
これは2020年の調査によるものですから、2022年現在はさらに苦しい状況にある企業は増えていることが予想されます。
コロナ禍が継続していること、またコロナ融資の返済が始まっていることを考えるとそう予想せざるを得ません。
そこに円安、インフレが直撃しています。
昔ながらの中小企業の経営をしている会社には苦しい状況が今後も続くことでしょう。
なんとか耐えていればそのうち活路が開けるという状況ではなさそうです。
時代の変化から起きている現象だからです。
これらのことにより今後地方や中小企業を取り巻く状況は激変するでしょう。
さらにここにDXの完成やそれによるサプライチェーンの崩壊も組み合わさって中小企業は激減してしまうかもしれません。
それによって中小企業のインフラともいえる税理士事務所のあり方も方針も激変することでしょう。
少なくとも顧問料が10%減るとか顧問先が1割減るのは近い将来のリスクとして考慮しておくべきです。
健全な経営をしている税理士事務所であっても10%減は看過できない事務所のほうが多いでしょう。
するとこれを何で穴埋めするのか、もしくは今後の収益の柱をどこに移していくのかというのは中期での税理士事務所の経営の最大の課題になってきます。
ぜひ時間をとって幹部の人達と話あっていきましょう。