From:高名一成
「毎年顧問先が増えていて事務所もかなり大きくなりました」
と、先日久しぶりにお会いした先生が言っていました。
その先生は地域では一番規模が大きい事務所です。
つまり地域No.1事務所。
「さすがですね、どんなことやってそうなったんですか?」
と質問し成長の軌跡を聞かせていただきました。
今までやってきたことをいろいろ聞かせてくれたんですが、その先生は、
「でも、このままのやり方がいいのかどうか悩んでいるんです。」
とも言っていました。
よく話しを聞いてみると順調に拡大はしてきているもののほうっておけない問題が出てきたようなのです。
その問題は3つありました。
1つ目は慢性的に忙しい状態が続いてしまっていることでした。職員さんはみな担当を40件くらい持っていて、リーダークラスは部下のマネジメントもあるため毎日終電近くまで働いています。
こんな働き方だと離職率が高くなってしまうと懸念されていました。
2つ目は利益の低下。
顧問先が増え売上は増えているはずなのに利益が減少傾向にあるようです。
3つ目はサービスの質の低下。
事務所が大きくなるにつれてサービスの質が低くなっているようです。実際にミスが増えるようになってきているし、クレームも増えています。
今はまだ大きな失敗は無いようですが、このままだといずれおきるのではないか?と心配されています。
これらの問題はこの先生独自の問題ではありません。
この記事を読んでいる方の中でも身に覚えがある方もいると思います。
そして、これは税理士業界特有の問題でもありません。
同じ問題を抱えている会社は山の様にあります。
この問題の原因は顧客獲得にあります。
顧客獲得をするということはお客さんの数が増えるということ。
お客さんの数が増えれば、商品を作る、商品を納品する、商品のフォローをするという仕事が増えます。
さらに、オペレーション面でも仕事が増えます。
つまり顧客獲得をすると忙しくなるのです。
忙しくなると社員にしわ寄せがいきます。
忙しくなるとミスも増えてしまいます。
そして、しわ寄せも抱えきれないくらいになってからようやく人を採用します。
ようやく問題が解決したと思ったら、今度は利益が減っていることに気づきます。
仕事量に比例して残業も増え、新しく雇用もしたので当然です。
これはマズイ、もっと売上を増やさなきゃと顧客獲得に走ります、、、。そして、また同じことの繰り返しです。
冒頭の先生はこの様な状態になってしまっていたので、このまま事務所を拡大させればこの問題は解決するのか?
今と変わらないんじゃないか?
もっとひどくなるんじゃないか?と悩んでいたのです。
ハッキリ言うと、このままいくとこの先生の問題は解決しません。
もっとひどくなるでしょう。
この問題を解決する方法は2つです。
1つは超効率化をすすめることです。
商品の開発、納品、フォローを自動もしくは超効率的にやれるようにするのです。
今は様々なテクノロジーが開発されているので、やれないことはありません。税理士業界だとAIやRPAがこれに該当してきます。
ただし、導入しきちんと稼働させるためにはかなりの投資が必要です。
それにこの路線を進めるとちょっとうまくいかなかったからといって後戻りはカンタンにはできません。
2つ目は顧客獲得しないことです。
顧客獲得が問題を引き起こしているのなら獲得しなければ問題は起こりません。
でも、それだと売上が増えていきませんよね。
なので、顧客獲得をすることなく売上を増やす方法を考えるのです。
その時のポイントは既存のお客さんに注目することです。
既存客からの売上を増やせば先ほどの問題は起こりません。
忙しさもたかがしれていますし、利益も高くなります。
それに時間をかけずにすぐに取り組むことができるのでテスト感覚でやることも可能です。
今、多くの会社で、
①忙しい(ブラック企業化)
②利益の減少
③サービスの質の低下
という問題が起こっています。
今後の方向性をどうするか真剣に考えなければいけないタイミングになってきました。
先ほど紹介した2つの解決方法と方向性。
自分たちはどちらに進むべきか、ぜひ時間をとって考えてみてください。
ー高名一成