from 福元友則
税理士が通常業務以外で行う仕事の1つに経営計画書の作成があります。
銀行などの第3者からの依頼で作成する経営計画書の場合、返済の可能性を確認するための数値計画書がメインになります。
もし顧問先や中小企業の社長から依頼された場合、作成するのが数値計画ではダメです。
この場合に作成するのは事業計画書になります。
この2つはどちらも経営計画書と呼ばれているため区別されていませんが、しっかり区別するようにしましょう。
事業計画書に盛り込むべきことは次の5つ。
1つめは収支計画です。
これは数値計画の部分になりますので割愛します。
2つめは資金計画です。
これも当たり前のように思いますが、次からの3項目を踏まえた上で資金計画をたてる必要がでてきます。
3つめはマーケティング計画。
マーケティング計画をたてる時にまず確認することは今うまくいっていること。
例えば今YouTube広告がうまくいっているとします。
これが今後伸ばせるのかどうかを計画をたてる際に確認するようにしてください。
もっと広告費を増やせば伸ばせるのであれば、広告費を増やすべきです。
注意点としては、広告費と顧客獲得は比例関係にはないことのほうが多いです。
ある一定のラインを超えると広告費を増やしても顧客獲得が増えないという意味です。
またこれには顧客獲得はできるけれども顧客獲得費用を回収できないためキャッシュフローがマイナスになってしまう場合を含めます。
こうしたシミュレーションを行います。
また伸び悩みを回避するために、新しい集客媒体の開拓も計画していきましょう。
4つ目は採用計画です。
採用計画をたてるにはまず未来の組織図をつくる必要があります。
未来の組織図をつくる時のポイントは人ではなく、機能から考えること。
例えば、税理士事務所の組織図の場合、監査1課、監査2課といった具合に同じ機能ばかりの組織図をよくみます。
監査課の中で機能が違ってくる部分はしっかり作る必要があるのですが、そうではない場合ここではそこまで掘り下げる必要はありません。
それよりもマーケティングの機能を盛り込んだり、商品開発の機能を盛り込んだりと未来の組織図にしていくために必要な機能をしっかり組織図に盛り込むようにしましょう。
内部の人だけでなく、外部の協力者も盛り込んでしまっていいかもしれません。
これをすることで、会社を伸ばしていくためにどんな能力やスキルが必要なのかを考え、計画することができるようなります。
5つめは商品開発です。
商品の寿命がどんどん短くなっていっていることを考慮すると毎年新しい商品、サービスをリリースできるのが望ましいです。
新しい商品、サービスを開発する機能も積極的に考え、計画していきましょう。
以上、5つの項目を紹介しました。
経営計画をみても、なかなかこの5つの項目をしっかりおさせて作られているものは少ないのが現状です。
年始や確定申告などを迎えるこれからの時期、来季の話をする機会も増えるかと思いますので、積極的にアドバイスしていきましょう。