経営戦略

顧問先を大切にしてますか?

From:高名一成

 

つい、先日あった、僕たちのコンサル先の税理士事務所での話。

 

「もっと今より顧問先を大切にしよう。そのために提供できる商品を開発することで、顧問先に喜ばれながら売上を増やしていこう。」

 

これはその事務所の代表の先生が事務所の職員に向けたメッセージでした。

 

ごく当たり前のことの様ですが、
・お客さんの顧客満足度を上げるため、
・事務所のブランドを高めるため、
・仕事を通じて人間性を成長させるため、
今のお客さんを大切にすることは非常に重要なことだと思います。

 

そして、マーケティングとしても、既存のお客さんを大切にすることは一番大事なことです。

 

だけど、売上を増やしていこうと考えるとどうしても新規、新規と新規客を獲得することを考えてしまいがちです。

 

ビジネスのスタートアップの時はそれで正しいと思います。

 

既存客がいないですからね。
まずは、新規客を一定数集客してから、既存客向けのフォローアップをすることで売上を増やしていくという順番が正解でしょう。

 

ですが、既存客のフォローアップをしないで、新規客獲得ばかりに力を入れていると、こんな現象が起こります。

 

新規客獲得ばかりを行うと起きる3つの現象

 

これは税理士業界だからという話ではありません。どの業界でも共通することなのですが、今までに、この現象が起きている税理士事務所をたくさん見てきました。

 

ぜひ、自分の事務所はどうか?という視点で読んでみてください。

 

■現象① いつも忙しい
新規客獲得に力を入れる事務所はとにかくいつも忙しくバタバタしています。

 

これは当然の話で、新規客獲得というのは、そもそも、とても難しいことなのです。

 

新規獲得のためには、広告を出す必要があったり、いろいろな人と会って営業をしたりします。

 

つまり、お金と時間が大きくかかるということです。

 

あとは新規が増えると客数が増えるので、そもそも忙しくなります。その結果、毎月訪問が2〜3ヶ月にい1度になったなんて話はよく聞くことです。

 

さらに、客数が増えると人材採用も考える必要があり、その時間とお金がさらにかかってきます。

 

■現象② 利益が増えない
新規客獲得に力を入れる事務所は利益が増えていきません。

 

なぜならば、新規客を獲得しても利益は増えないからなんですね。

 

利益を生み出す秘訣というのは、単価の高い商品を販売することです。

 

単価が高ければそれだけ利益が出ます。

 

ただ、新規客獲得という観点で考えると、新規客に高単価な商品は売れません。

 

高単価な商品は、サンプルなどで商品のお試しをしてもらい、そのお客さんと信頼関係を構築し、それから売れていく類の商品です。

 

つまり、この商品が売れるのは既存客なのです。

 

なので、新規客獲得だけに力を入れると安い商品しか売れていかないので、利益は出ませんし、間接コストなどを考えると逆に赤字になっているケースも多く見受けられます。

 

現象①と合わさって、慢性的に忙しい状態なのに利益が少ないという事務所は実はとても多いのです。

 

■現象③ 顧問契約の解除が多い
新規客獲得ばかりに力を入れている事務所は顧問契約の解除件数も多い傾向にあります。

 

なぜなら、既存客のフォローアップが無いからなんですね。

 

税務顧問契約をして、毎月訪問し、サービス提供をするのは、当たり前のことで、フォローアップではありません。

 

今の既存客が抱える問題を解決するための商品を開発し、その商品でサポートすることが真のフォローアップなのです。

 

この商品が単価の高い商品になり、これを販売することで利益は増えていくのですが、新規客獲得ばかりをやっていると、いつも忙しく、商品開発へ投資する時間がありません。

 

そして、こういったことが出来ないと、既存客は、「いつも困っていると相談しているのに何もしてくれない」と思ってしまったり、僕たちが推奨している、次世代型税理士によって、顧客を奪われてしまう可能性がとても大きくなります。

 

これが顧問契約の解除が多くなるメカニズムです。

 

既存客をフォローして売上を増やす

 

以上のことから考えると、既存客へのフォローアップ商品を開発して、売上を増やしていく方が、合理的な考え方です。

 

その方が、確実に利益は増え、時間もかからず、営業も簡単です。さらに顧客満足度もグングン増えていくはずです。

 

そして、利益が増えるので、その利益を使って新規客獲得の活動も行うことができます。

 

税理士事務所は通常の税務顧問というサービスが顧客の経営の実態に踏み込んだサービスになっているので、それに合わせてフォローアップ用の商品を販売することはそう難しいことではないと思います。

 

今、お客さんは何に困っていますか?売上ですか?お金ですか?人材ですか?

 

それを商品にして販売できると、今よりもっともっと顧問先を大切に出来るのではないでしょうか?

 

ー高名一成

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