From:福元友則
預貸率82.73%、不良債権比率1.32%、利益は業界トップの105億円。
貸し渋る金融機関とは正反対の、地域の底上げに成功している信用金庫を紹介します。
西武信用金庫は、貸出残高も信金でトップの信用金庫です。
一体他と何が違うのかというと、、、
預金集めはやりません。
そのかわり主要な顧客である中小企業を3,4社ほど訪問し、資金繰りや融資だけではなく、製造や販売、労務といった経営に関わる悩みや課題をヒアリングして、他の専門家を紹介することで、相談にのっているそうです。
西武信用金庫では、こうした活動を「お客さま支援センター」と呼び、顧客の課題を解決する力を自社の商品と定義づけています。
このお客さま支援センターの活動こそが、業界トップになった原動力なのです。
ただし、この活動をはじめるのはかんたんではありませんでした。
この活動をスタートするのに先駆けて、他の信金では当たり前にやっている日常業務の集金業務を廃止しました。
地道に集金業務をやっていたある日。
1990年代後半に金融危機が訪れ、大手の会社が続々と倒産するという出来事がありました。この時、一番打撃を受けたのが信金の顧客である中小企業です。
地道な集金活動をやっていたらある日、顧客が続々となくなっていった。
しかも、その後は海外移転などで減る一方。
昔ながらの人海戦術をしていては、これからはやっていけない。
これまでのやり方に見切りをつけ、非常識といわれても、独自性を発揮できる分野に進出しようと決めたそうです。
こうした取り組むについて、「非価格競争力」を高めるためであったそうです。
そしてこれこそが「信金としての生き残り策」だったそうです。
少子高齢化と人口減により、今後一層国内の産業低下は免れません。
さらに、中小企業の衰退は言うまでもありません。
融資先である中小企業が減る、不良債権が増える、となれば経営に大打撃なことは容易に想像がつきます。
こうした状況を予測してはじめたのが、顧客である中小企業を活性化させるための活動、コンサルティング業務を担うお客様支援だったのです。
同じやり方でやればどうしても規模の大きなところのスケールメリットには勝てません。なので小が大に勝てるところで勝負をしなければいけないのです。
西武信用金庫はピンチをチャンスにしました。
大きな変革期には、それに適合するビジネスモデルをつくれると躍進の大チャンスになります。
信用金庫と税理士事務所は非常に似ている状況にあります。
顧客が同じなのですから、解決していかなければいけないことは共通しています。
チャンスの種は顧客が持っています。
彼らの抱えている問題、課題、悩みがチャンスの種なのです。
もしそれを解決できるなら、しかもそれを競合ができないのだとしたら、これほどチャンスなことはありません。
この西武信用金庫の取り組む、ぜひ今後の経営の方針の参考にしてください。
ー福元友則
PS.
ご愛読いただきありがとうございます。
この記事が僕が書いた100号になります。
いつも応援してくれてる先生に感謝の気持ちでいっぱいです。