from 福元友則
デジタルマーケティングに取り組もうという社長が増えています。
少し前まではうちの業種はデジタルマーケティングに向いていないんだよねとか、人材がいないんだよねとか、儲かってるから取り組む気にならないんだよねと言っている社長が大半でした。
しかし昨今のデジタル化が単なるブームではなく、どうやらトレンドのようだと気づいてきたのでしょう。
様子見をしていた社長も、このままでは乗り遅れるという気持ちもなってきているということ。
つまり社長の中では、営業のデジタル化に取り組むか取り組まないかではなく、いつ取り組むかしか選択肢がないことに気づき出したということです。
ですが、営業のデジタル化がうまくいっていないところは少なくありません。
営業のデジタル化がうまくいかない会社に共通することがあります。
それはデジタルマーケティング登場以前のやり方をそのままデジタル化しようとしていることです。
リアルマーケティングとデジタルマーケティングでは大きく異なることがいくつもあります。
リアルマーケティングとデジタルマーケティングでは競合の考え方が全く異なります。
リアルマーケティングでは、商圏という考え方がとても大切です。
例えば日本一おいしい飲食店が渋谷にあるとします。
おいしい食事がしたいからといってみんながみんなこの店に行くとは限りませんよね。
そこまで移動するのにお金も時間もたくさんかかってしまうからです。
人によって食事をする場合には、移動時間や距離はこれぐらいというルールがあります。
これが商圏です。
どれだけ商品力が勝ってもお客さんを呼べないというお店や会社の限界ラインのようなものです。
ですが、デジタルになると商圏の概念は全くなりなります。
どの会社と取引するのもどのお店から買うのも同じコストしかかからなくなるからです。
またリアルの会社やお店にはスペースに限りがあります。
例えば本屋の場合、置けば売れる本であっても他にもっと売れる本があれば陳列することができなくなります。
しかしデジタルではこうしたスペースの制限がありません。
Amazonは世界一品揃えの豊富な本屋でこれからも無限に本を増やしていけます。
リアルでは売れ筋という考え方が重要でしたが、デジタルではロングテールと呼ばれる考え方が重要になります。
またコミュニケーションコストの考え方もあります。
リアルではお客さんとコミュニケーションをとるのにお金がかかります。
例えばお客さんにDMを送るとすれば印刷代に郵送代にとコストが発生します。
しかしデジタルの場合、eメールを送るのにコストはかかりません。
こうした考え方の違いに気づかずにデジタル化を進めてしまうと全然うまくいきません。
デジタル化のメリットをきちんと把握して、成功パターンに沿ってデジタル化をすすめることをおすすめします。
先生の事務所の経営や顧問先のアドバイスの参考にしてください。